WordPressという地獄を生き抜く

WordPressを始める前に読みたい「WordPressの5つのデメリット」

「WordPressの勉強」にお金をかける前に・・・

昨今の巣篭もり需要なのか、最近「WordPressの勉強を始めました!」という声をチラホラ聞きます。

ここ数年WordPress界隈は、「WordPressを教えて儲ける人」と「WordPressの学習にお金を払う人」という一定の需要供給関係が固まっているので、「WordPressの勉強をしたい」という人が出てきては、情報商材屋さんレンタルサーバー屋さんに捕まって「チャリンチャリンと刈り取られる」という流れがあります。

Twitterなんかでみていると、某ノート系記事で決して安くない有料記事を課金してしまう人が結構いるようなのですが、ハッキリ言って無駄です。

WordPressの使い方は、長い歴史のあるWordPress専用マニュアル「WordPress Codex」に全て書いてあります。しかも、WordPress Codexは完全無料で、WordPressの変更に合わせて常にアップデートされていきます。

これはWordPress界隈にとってプラスなんでしょうか?

ここ数年でWordPress以外でも素人の方でも触れる無料ホームページ作成ツールはたくさん出てきていますし、WordPressじゃなくてもホームページの作成はできます。サーバーなしでもホームページが持てる時代になっているんです。

そんな現状の中、お金を払ってまでWordPressを始める価値があるのか。

しっかりと現実を知った上で決めて欲しいというのが本記事の願いです。

WordPressの5つのデメリット

立ち上げたら永久にサーバー費用が必要です

WordPressはPHPというプログラム言語とMySQLというデータベース、そしてそれらを表示するWebサーバーで構築されています。

サーバーがないとWordPressは動かないですから、「WordPressのサイトを持つ = 永久にサーバー費用を払う」ということです。サーバー費用は安ければ月額500円ほどですが、それがずっと続くと結構な金額になります。

「いや、そんなのどのHPでも一緒では?」と思うでしょうが、本サイトはフロントはGridsomeで構築していますが、サーバー費用は無料です。

HPのホスティングは、Netlify、Vercel、Cloudflage Pages(本サイトはこれ)など無料で使えるサービスが次々と登場しています。WordPressでなければ、こうした無料サービスを使えます。

永久にセキュリティリスクを意識する必要がある

WordPressはページをPHPとMySQLで動的に出力していますから、どうしてもセキュリティリスクがあります。ここは0には出来ません。

WordPressには自動更新機能があるので、オンにしておけばある程度はセキュリティ対策はできますが、たまにマニュアルじゃないとアップグレードできないこともありますし、プラグインが最新版のWordPressに対応しているかをマニュアルでチェックする必要があります。

記事データが破損して、データを喪失するリスクがあります

WordPressは記事も、サイト設定も、プラグイン設定も全てデータベースで行っているため、何かの不具合(あなたが何もしてなくても)でデータベースが破損したり、データを喪失する(データセンターのトラブルなどで)と、これまで書いた全ての記事がなかったものになります。バックアップがなければ復元はほぼ不可能です。

もちろんWordPressにもバックアッププラグインはありますが、これらの設定をしたり、バックアップのためのクラウドドライブを用意する必要があります。

また、バックアップしたところで、完全に復元できるとも限りません。

WordPressは言うほどSEOに強くありません

WordPressはSEOに強い!と言う触れ込みで、WordPressの使い方とSEOをセットにしている情報商材をよく見かけますが、WordPressは言うほどSEOに強くありません。

もしWordPressがSEOに強いのであれば、検索エンジンの上位サイトはほとんどWordPressということになりますが、上位サイトほどWordPressを使っていないサイトが多くなります(キーワードにもよりますが)。

情報商材を売るその人がSEOで成功したのは、その人のセンスとタイミングがよかっただけで、WordPressがSEOに強いわけではありません。

また、勘違いしがちですが、WordPressのSEO専用プラグインをいれたところで、SEOが強くなることはありません。ちょっと改善されるくらいです。

強いていうなら、WordPressは最初からサイト構造として検索エンジンのクローラーが辿りやすい構成になっているので、その点はプラスですが、言うなれば「WordPressがSEOに強いのは、それくらい」です。

HTMLやページの構成はどんなテーマを選ぶかで変わりますし、記事のカテゴリ・タグ設定でサイトの記事階層は変わります。

ですので、「WordPress = SEOに強い」という文言を見たら、そのページをそっと閉じましょう。

WordPress + アフィリエイトは良い組み合わせではありません

WordPressというと、個人で作成する人は多くが「Adsenseで副収入」など、アフィリエイトで副業的な目的があるかと思います。

誤解を招かないように先に言っておくと、WordPressサイトでアフィリエイトをして成功している方はたくさんいらっしゃいます。ただ、WordPressでチマチマ記事を書いたくらいじゃ、今のSEO環境ではアフィリエイトでは勝てなくなっています。

現在のアフィリエイトは大手出版社や、システム開発会社などがどんどん進出してきているので、今からWordPressで作れる規模のサイトを個人が始めるのでは「時すでに遅し」の可能性が高いです。

厳密にはWordPressは勉強するものじゃない

さて、ここまでWordPressのデメリットを見てきましたが、そもそも「WordPressを勉強する」とは何でしょう?

WordPressはPHPというプログラムを使いやすくしたフレームワークです。ですので、WordPressの使い方に慣れるということはあっっても勉強することはありません。もし、WordPressが勉強しなくては使えないようなフレームワークなら、フレームワークとしてここまで成功していないでしょう。

WordPressの仕組みを学ぶのであれば「PHP、またはフレームワークを勉強する」ことになりますし、「データベースの仕組みや操作を勉強する」ということです。

残念ながら、「WordPressを勉強」したとしても、良いサイトやブログを作れるようになりません。